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愛するジーク ~ Come on out ~

 

 

 

たとえどんなに辛くて悲しくて

大粒の涙が止まらない夜も

私の深層は少しも波立ってはいない

 

 

なぜなら

私はそれだけの覚悟を持って

生まれてきたのだから

 

 

私の心の内側は静かで

 

そしていつも

大いなる光に守られている

 

 

それはすべての災いをも受け止める

幸なる光

 

慈しみ深き常しえの愛であり

私の夫の魂の姿である

 

 

 

なのに私はどうしても 彼の顔を思い出す事ができない

 

笑い声もしぐさも癖も よく覚えているのに

あのひとの顔はいつも雲のまにまに消えゆく

そう 夜霧のようなもの

 

 

 

彼は一夜にして全てを刷新する

 

 

私はすべての穢れを捨てて

神秘の碧き泉で身を清め 藍を身に纏う

 

  

やるべき事はすべてやった

 

 

その時彼は

ふたたび私の目の前に姿を見せるだろうか


夜霧の向こうに見える朧げな記憶

あと一つピースが手に入れば完成するパズルのように 彼の輪郭をなぞれば


 

 その麗しい神鹿のように大きな深い輝きを帯びた瞳

理性をかたどった鼻すじ

天をも震わすフルートの調べの如き声

 

 

私が一日千秋の思いで

何億年をもひたすら待ち続けてきたあの愛の姿

魂の結露した真実の姿を

 

 

見せてほしい

見せてほしい

魅せてほしい

 

 

待つ日の黄昏

 

 

私の愛するジークフリートへ

 

 

 

 

category   date 2018.11.01